151話 一人ぼっちのアトム

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数少ない、モノクロのヒット作品。
御茶ノ水博士にもヒゲオヤジにも光線銃で狙い撃ちされ、多くの人に悪人と見られるアトム。
「フランケン」や「アトム風船爆弾」を思い出します。
パルスというロボットは電波で人間を幸せな気分になれる催眠術をかけることが出来るらしい。
パルスのテクノロジー

電気と脳の開発は、現代では脳に電流を高圧で流すと記憶を失うとか、電磁波が入り乱れている所では見えないものが見えたりするとかあるらしい。まだ実用的なものではない。
それに比べて、パルスの電波で人の感情を操るとすばらしいテクノロジーだ。おそらく電磁波で脳内にエンドルフィンを出させるのであろうが、それがどんな電磁波なのかはまったく予測がつかない。
空想科学の醍醐味である。
その利用価値は、国際平和会議などで、出席者の戦争を招く闘争心を抑えて議会を進行させ、戦争を望む国はなくなることでしょう。
これは夢のテクノロジーです。

では、パルスのやろうとしていることは正しいのかというと、やはりそうではないと思う。
町の犯罪は激減するでしょう。何せ、不満に感じることがないのだから。
これは、麻薬と同じといえるかもしれない。
人工的に作られた幸福感に浸っていても問題は解決しないからである。(たとえば、環境問題とかね。)
下手をすれば、何をしなくても幸福感にあるのだから、食事もとらず人間は絶滅してしまうかもしれない。
うーん、危険なテクノでもあるわけですな。

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そんな、
そんなのは本当の幸せじゃない!!

そんなテクノロジーの現実性の是非は置いといて、本当の幸せって何なのでしょうね。
戦争がない国にいるだけで幸せといえるし、
生きているだけで幸せと言えるかもしれない。
衣食住に困ることなくても、不幸を感じることはある。
幸せと不幸のバリエーションは無限にあるので、定義するのは不可能かもしれない。
ただ、使う人によっては、必ずしも悪用にはならない技術だと思う。

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今回アトムが何をしたかというと、説得であった。
しかし、あまりアトムは説得する力はないらしい。効果なし。
では、アトムがパルスの破壊に動いたかというと、一度だけで、多くの人たちに認められているパルスを破壊しようとはしなかった。
ブロンXの時とは違うのはなぜだろう
パルスのしようとしていることはブロンXと違って、人間の幸福なのだから、人間の決断なくして破壊は出来なかったのだろう。
ロボットの悲しい性だ。
パルスはアトムに絶対協力させると言い放ち、アトムの人工頭脳を変えようとした。
しかし、アトムはそんな風に人間が望む人工の幸福社会に順応するよりは、自らの破壊を望むのであった。


ぼく、直されるのいやです。いっそ壊してください。
博士、お願いです。

「大変なことをしてしまった。人間のために作られたこの私が!!人間の子供を!!」(パルス)

パルスのこの最後は面白かった。
大勢の人の幸福感を操ったというのに、たった一人子供に翻弄されて、自爆してしまうのだから。
傑作でしたね。
悪役なのか、正義の味方なのか、役どころの曖昧な紳士ロボットパルス。面白いキャラクターでした。

さて、パルスが破壊して、元に戻った人間たち。
人工の幸福感の違和感に気づくんですね。そうこなくっちゃ。

人間の幸せは、わしたち自身で作らにゃ。(お茶の水博士)

≪今回のツッコミどころ≫子供が怒ってるからとはいえ、ロボットが危害を加えるほどおびえるだろうか。


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