ロボットに寿命はなく、エネルギーさえあれば、永遠に作動する(人間で言う生きるの意)という概念は誤解です。車と同じで、年季を経てガタがくると壊れてしまいます。つまり、死んでしまうんです。「今昔物語」では、整備されず野原に放置したままのアトムは壊れていたようです。
しかし、部品の交換を次々と繰り返せば、その問題は解決します。
ところが、電子頭脳も新しく交換して、アトムの人格データをそこに移せることができれば問題はないのですが、電子頭脳に入っているアトムの人格データは、キノオと違って容易にコピーや移動はできないようです。「盗まれたアトム」では、アトムの人格データを移動するのではなく、電子頭脳を直接本体から取り出し、移し変えています。
それは悪用されない点で有益ですが、いざ電子頭脳にガタがきたときが、大問題です。
人格データを移動もコピーも出来ず、その電子頭脳が動かなくなってしまったら・・・
ロボットのアトムが死ぬ??????????
アトムの人格データは
新品の電子頭脳に移せない?
電子頭脳にガタがきたら
停止(人間でいう死)してしまう?
そんなことはありません!アトムは永遠のロボット天使です!
そこで、データは容易に移せないという前提でSF的つじつま合わせをしてみました。
その方法は地味ですけど、やはり部品交換でした。
ただ、電子頭脳をまるまる交換するのではなく、一部分ずつ毎日交換するというものです。
人間の脳は千数百億の細胞からなり、その100万分の1、毎日10万個ほど死んでいます。
それに倣って、電子頭脳の集積回路の耐用年数に応じて、その一部を毎日交換してゆけば、アトムの電子頭脳にガタがくることはありません。
まるで人間のようですね。と言っても、体の細胞のようで、人間の脳細胞は増えませんが。
面白いことに「すりかえ頭脳の巻」で、アトムの頭の良さが妬まれて、電子頭脳が盗まれる事件が発生します。
しかし、それでもアトムは動くことができ、人物の見分けがつき、話すこともできるので、どうやら盗まれたのは、最近学習した分野のメモリだけだったようです。
アトムは根気よく再学習しなおし、盗まれた電子頭脳の部品はもう不要のものとなりました。めでたし、めでたし。
とまあ、これでアトムの記憶する回路が、脳細胞のように多くあることがうかがえます。一部が無くなっても問題はないのです。それにしても、アトムの電子頭脳の部品は一体どれくらいあるのでしょうね。
そういえば、「アトム還る」では一部記憶喪失してました。
人間は一生のうち10%くらいしか脳を使っていないようですが、太陽に突っ込んでアトムは何%ほどの回路が壊れてしまったのでしょうか。
人間の脳は半分以上なくなっても、生きることができるそうです。
このガタのこない電子頭脳のアイデアはurtlaCSさんからでした。ありがとうございました。※上のイラストでアトムから滴り落ちているものは、
血ではなくオイルです。
それでも、
いつの日か
アトムが
停止する日は
来るでしょう