アトムの七つの面白さ

4.テーマがあること
基本的に「フランケン」「ブラックルックス」「デッドクロス殿下」「ロボットランド」「青騎士」などを見る限り、差別される人間の代わりにロボットを置き換えた、迫害差別の否定がテーマにある。
現代の日本、また私の周辺では差別迫害というものを見かけたことはないが、これだけ回数を重ねられれば、そんな真似は決してしたくないと思う。
くどくなるほど、手塚先生が訴えたかったテーマなのだろう。
「アトム大使」では戦いよりも話し合いで和解することを描かれていて、ただのヒーロー物ではないものを感じさせる。
科学は夢でもあるけれど、使い方によっては危険でもあるということに警鐘を鳴らしたりしている。そして自然の大切を訴えたりしている。
後半「地上最大のロボット」以降、けっこう戦いや武装を否定している事が多い。これはただ単に戦いの浅ましさを訴えるだけではなく、「若返りガス」でお茶の水博士が言ったように戦いを娯楽として求めることを否定したかったのではと思える。
5.アトムがかわいそうで、切なくて、天使であること!
そして、アトムはそういったメッセージを力で従わせたいのではない。理解しあってゆきたかったのだ。
しかし!父親である天馬博士は考えを改めようとせず、アトムは自分の父親を追い詰める羽目になったり、クラスメートに危害を加えられないために悪役にされてみんなに罵られ、学生同士のメンツのために自分の弟と戦わされたり、ロボットの行いや言動を信じてもらえなどころか、アトムに何の罪もないのに冤罪を着せられたり!
いやはや、この小さなロボットに、なんと数々の重圧がのしかかりその小さな肩を押しつぶそうとするのでしょう。
アトムも涙を浮かべるものでした。その切なさにこちらも涙を誘われたものです。
でも、アトムはそんな辛苦に屈することなく、人間を信じ、果敢に事態の打開に突き進むのです。
これがアトムの鉄腕であり天使な面白さなのです!!



6.ギャグ(面白いと言えるものではないのですが…)
これだけヘビーな物語なのに、子供受け入れやすいのはなぜ?
それは物語には関係のない、大人にとってはくだらないギャグにあったのです。

「必要以上にシラケル(?)ギャクの連発が、ちょっとだけホノボノさせるのです。」
あと手塚先生は結構怖い話を思いつく人ですから、それをダイレクトに出すと不快感みたいなものを読者に与えるから、絵柄をギャク漫画風にして単純な丸こいタッチにして精神的緩衝材にしたと思います。変なところにギャクを入れるのが、ある意味ではシリアスだらけだと暗い気持ちになるからホノボノさを取り入れたと思います。
「むかえでごんす」「ヒョウタンツギ」など、手塚先生独特の薬味だと思います
(ぼめさんのコメントより)


大きな鼻を持つもの同士が鼻を突き合わせていがみ合ったり、ヒゲを引っ張ったり、顔の中身が飛び出たり、怒ったり驚いたりする感情表現をオーバーに描いたり、警官同志が留置所に入ったり、未来なのに糸電話を使ったり、笑いを誘い、ほっとさせるのです。

こんなアトムの面白さに共感を覚えられた方はぜひご感想などお寄せください。





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