暑いですね


　

「昔はよかったなー、暑いってもこんな暑さじゃなかったんだぜ。
雑木林や小川が近くにあってなー、虫取りやザリガニ取り、よく遊んだものよ」
「そういえば、今の子供たちの近所の遊び場って限られてますね。」
「オーよ、林は虫に刺されるとか敬遠して整備された公園じゃろくな免疫も学習もできやしない。
川なんか、汚れちまって危険になっちまった。」
「未来の子供たちの遊び場は画面の中しかなくなってしまいそうで、怖いですね。」
「ううっ、お化けよりも怖い話だな。
はー、昔は家もどこも開けっ放しでよ、エアコンがなくったって風が通って涼しかったもんだぜ」
「ええっ！泥棒とか、大丈夫だったんですか！？僕の家は、屋内にいてもセキュリティーかけときますよ。」
「まあ、どこも貧乏だったからなー、それに近所の目もあったしな、
今の近所づきあいとは大違いよ。こんな縁台で、おやじたちが将棋をさしてたもんさ。
そこへ豆腐屋は来る、酒屋が来れば、魚屋も来る。」
「へー、スーパーの売り場が自宅に来てるようでいいですね。」
「その通り！この季節は、風鈴売りや金魚売りも来てな、涼しい風情があったもんさ。
そういえば、アトムそのアイスよく冷えてそうだなー。」
「これは、原子炉の冷却剤です。ヒゲオヤジ先生のは何ですか？」
「これはところてんよ！！夏はこれがうまいんだ！！」